静岡県静岡県東部地区の観光ボランティア団体で構成される連絡協議会主催で、会員向けの研修会が7月17日に行われましたので報告します。
場所は韮山。「明治日本の産業革命遺産」世界遺産に登録されたばかりの韮山反射炉とその周辺を巡る研修です。
この日は大型の台風11号が中国四国地域に上陸。その影響で前日から烈しい雨に見舞われていました。
熱函道路を超えて、伊豆の国市へ着く頃には雨もだいぶ弱まって、集合場所の韮山時代劇場には熱海市の黄色のユニフォームのほか、三島、富士、富士宮など静岡東部地区のボランティア団体の方々が色とりどりのユニフォームをまとって大集合し、研修会がスタートしました。
(1)蛭ヶ島公園
頼朝31歳、政子21歳の夫婦の姿を表す像が、富士山の方向を向いて立っている、その二人の背中を見ながら、岩下志麻の北条政子のお話など交えてガイドして頂きました。次を急いだので茶屋や資料館、ナギの葉のモニュメントなどは見られず、次回の宿題です。
(2)江川邸
幕末の「世直し江川大明神」と敬われた江川英龍は、西洋の砲術を研究して韮山反射炉を築造した他にも、農兵訓練、江川塾の教育、日本で最初のパンの製造など多くのことを行った大変なカリスマですね。
広い敷地内には主屋の他に16の見所スポットが有りますが、今回私の興味を引いたのは井戸で、井桁に菊の紋の「江川酒」の復活についてお話いただき、帰ってから通販サイトで調べてみたら、純米大吟醸の「江川酒担庵」が4号瓶で2700円。幻の酒、といわれたら飲んでみたいな~と思いますよね。
(3)韮山反射炉
江川英龍の死から2年後の安政4年(1857年)に完成した、鉄を溶かして大砲を鋳造するための溶解炉。鉄骨フレームは昭和32年の耐震補強によるものですが、白いレンガと共に青空に映えて印象的です。つい先日、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の構成資産として、ユネスコ世界遺産に指定されたので、これから熱海からもご案内の機会が増えるかもしれませんね。
隣接の蔵屋鳴沢という施設では、BBQレストランや地ビール、製茶工場やおみやげ売り場もあります。季節になれば、地元の皆さんが作るつるし雛も展示販売されることでしょう。
(4)願成就院
高野山真言宗に属する、天守君山願成就院。北条時政が頼朝の戦勝祈願で建立したもの。ご本尊の阿弥陀如来坐像を含めて5体の仏像はいずれも鎌倉初期の運慶の作とされていたましたが、平成25年の調査で胎内銘札が見つかったことでそれと明らかとなり、国宝指定されました。ガイドの伊藤さんは100回以上見ているそうですが、阿弥陀如来像のお顔は見るたびに違った表情に見えるということで、私達もいろんな角度から、お顔を拝ませて頂きました。
今回お世話になった伊豆市の歴史ガイドの会の皆さんは、とても元気で活き活きとガイドをされていて、韮山反射炉の世界遺産指定に自信と誇りを持っていらっしゃり、ガイド経験もとても豊富なようでした。「頼朝・政子ロマンの路」「江川坦庵散策の路」というモデルコースがあり、ガイド無料とのことなので、また改めて勉強させていただきたいと思います。(Y.M記)
▲ジャニーズ系(!)の源頼朝と田舎娘の政子が、正面から見ても見目麗しい像です
▲あらゆるデータと細かいエピソードが頭に入っているガイドさん、尊敬!
▲熱海まち歩きガイドの会、今回の参加は11名でした。
皆様お疲れ様でした、晴れてよかったですね。それぞれ、いろんな収穫があったのでしょうね、熱海まち歩きの現場にも、この研修成果をぜひ取り込んでやってください。それにしても韮山と熱海は目と鼻の先。頼朝が流刑されたのがこの地。北条政子が頼朝を頼って、伊豆山までやってきたのもこの地からでしたね。800年も昔のことなんですね。独り言ですが、世界遺産効果が、熱海にも波及しますように・・・。(事務局:M.Y)